はじめに

STD-T115 Decoder にご興味をお持ちいただきありがとうございます。
STD-T115 Decoder は、 ARIB STD-T115「市町村デジタル同報通信システム TYPE2 第2編(QPSKナロー方式)」 に対応した、防災行政無線(デジタル同報系)の受信および測定を行うソフトウェアです。 本ソフトウェアは、オーディオインターフェイスから I/Q 信号を入力することで動作し、無線区間である QPSK 信号の復調後、上位レイヤのペイロードに対する誤り訂正および制御情報のデコードを行います。

従来、デジタル同報系 防災行政無線の測定には数十万円もする高価な専用機器が必要でした。本ソフトウェアは、ソフトウェア定義無線(SDR: Software Defined Radio)技術を使用することで Windows 上で動作し、RTL-SDR などの汎用 RF フロントエンドを利用できるため、ノート PC 環境でも簡易的な受信・計測システムを安価に構築することができます。

本ソフトウェアの利用には基本的なコンピュータ操作や無線通信に関して一定の知識が必要となります。また、商品の性質上、返品・交換・キャンセルはお受けできませんのでご注意ください。

本ソフトウェアの機能

ソフトウェア利用上の注意事項
  • 本ソフトウェアはライセンス上の制約により、AMR-WB+ デコーダをソフトウェアに組み込んだ形での提供を行うことができません。
  • デコーダがない状態では AMR-WB+ 形式のファイルが出力されます。3GPP が公開しているソフトウェアを使用することで WAV 形式に変換することができます。
  • 本ソフトウェアは、生命・安全に直結する防災用途での使用を想定していません。防災用途で必要な場合は自治体を通して戸別受信機の入手を推奨します。
  • 受信で得られた内容は、電波法や著作権法による保護対象となる可能性があります。受信データの取り扱いは利用者の責任において行ってください。

想定利用シーン

推奨動作環境

システム構成と導入方法

システム構成

STD-T115 Decoder は、オーディオインターフェイスに入力された I/Q 信号を用いてデジタル変調波を復調し、制御情報および放送内容をデコードします。 I/Q 信号の取得には、RTL-SDR に代表される RF フロントエンドと、デバイス制御・選局ソフトウェアの SDRSharp などのデバイス制御・選局ソフトウェアと組み合わせて使用します。 RF フロントエンドは、60 MHz 帯が受信可能で SDRSharp が対応していれば良いため、RTL2832U 等のチップを使用していない HackRFAirSpy 等でも利用することができます。

受信構成例を以下に示します。SDRSharp と STD-T115 Decoder は、仮想オーディオケーブルまたは物理オーディオケーブルで接続します。

受信構成例

導入手順

STD-T115 Decoder での受信・測定には、以下のステップが必要です。

オーディオデバイスの準備
物理オーディオケーブルの接続、または仮想オーディオケーブルのインストールを行います。
SDRSharp の導入、RF フロントエンドの接続
SDRSharp のインストールと設定、RF フロントエンドの導入を行います。
STD-T115 Decoder のインストール
ソフトウェアをダウンロードし、必要なファイルの配置および設定を行います。

1. オーディオデバイスの準備

物理オーディオケーブルまたは仮想オーディオケーブルのいずれかを使用します。既に仮想オーディオケーブルを使用している場合、手順1を省略できます。

1.1 物理オーディオケーブルを使用する場合

物理オーディオインターフェイスが利用可能な場合は、LINE出力端子とLINE入力端子を接続します。 接続したオーディオインターフェイスのデバイス名を、手順2で指定します。

1.2 仮想オーディオケーブルを新たに導入する場合

仮想オーディオケーブルを利用すると、OS内部に仮想オーディオデバイスを作成できるため、物理的な配線は不要です。 代表的な仮想オーディオケーブルには、以下のソフトウェアがあります。 インストール方法は各サイトを参照してください。作成したオーディオインターフェイスは、手順2でデバイス名の指定を行います。

仮想オーディオケーブルのインストール時の注意事項
  • 仮想オーディオケーブルのインストールを行う際は、インストーラを右クリックし、「管理者として実行」を選択してください。インストール完了後はインストーラの案内に従い、OS を再起動してください。
  • Windows の仕様により、最後にインストールされたオーディオデバイスが既定のオーディオデバイスに設定されます。 スピーカーから音が出なくなったときは、サウンド設定から既定のオーディオデバイスを再度選択してください。 この作業は、本ソフトウェアおよび SDRSharp を起動していない状態で行ってください。

2. SDRSharp の導入、RF フロントエンドの接続

SDRSharp の導入方法は、様々な書籍、Webサイトや動画などで解説されていますのでそちらを参照してください。 以下では、RF フロントエンドおよび SDRSharp の初期導入が完了している状態を前提に説明します。

SDRSharp を起動し、60MHz 帯(信号発生装置を使用している場合は、その周波数)に周波数を設定し、所望の周波数へチューニングします。
※RF フロントエンドの設定画面や補正ツールで、ドングルの周波数誤差の補正が完了していることを推奨します。
T115 システムを採用している多くの自治体は拡声放送時のみ送信する運用となっているようです。一部メーカーは、数秒~数十秒間隔または数分間隔で報知情報や機器状態監視のための間欠波を送信する場合があります。

受信レベルについて
  • T115 第2編は QPSK を使用しているため、T86 方式の 16QAM と比較して、所要 C/N が低く抑えられています。
  • 安定受信には、約 15 dB 程度の SNR(Signal-to-Noise Ratio)が必要です。これより低い場合でも受信できることはありますが、コンスタレーションの乱れ、CRC エラーの発生、放送へのノイズ混入などが生じる場合があります。
    ※15 dBは参考値であり、安定受信を保証するものではありません。
  • 遅延波等のマルチパスの影響により SNR が高くても正常に受信できない場合があります。 指向性のある八木アンテナを使用することで改善する場合があります。また、基地局と見通しの取れる場所で受信することを推奨します。

2.1 出力オーディオデバイスの指定

SDRSharp の Output デバイスを選択します。Output デバイスの変更は、停止状態でのみ可能です。受信中の場合は、 アイコンを押して、受信を停止させます。ここで選択したデバイスは、手順3 での STD-T115 Decoder の入力デバイスと一致させる必要があります。
Unity Gain チェックボックスを有効にしてください。 Unity Gain を有効化するとボリュームスライダーは無効になりますが、これは正常な動作です。

出力オーディオデバイスの設定が完了したら、 アイコンを押して受信を開始します。以下の図は、Line 1 (Virtual Audio Cable)を選択している状況です。デバイス名の先頭に [MME][Windows DirectSound]が付いている2種類ありますが、デバイス名が一致していればどちらでも問題ありません。 手順 2.2に進みます。

SDRSharp の出力オーディオデバイスの選択

2.2 受信モード設定

I/Q 信号を出力するため、受信モードを設定します。RAW モードを選択し、Bandwidth を 7.5 kHz 前後に合わせ、Order を10-1000 の間で設定します。
Bandwidth と Order は、手順3で、コンスタレーションを見ながら最適になるように調整します。 Order はフィルタの次数を表しており、大きい値ほど Bandwidth 外の領域の減衰が大きくなります。近い周波数に別の波やノイズがある場合は、隣接波の影響を防ぐために Order の値を大きめに設定してください。

SDRSharp の受信モード設定

ボリュームアイコンがミュートになっている場合は、 アイコンをクリックしてミュートを解除してください。以下の図は、ミュートが解除されている状態です。

SDRSharp の再生ボタンとミュート解除
SDRSharp 設定時の注意事項
  • IF Noise Blanker などのイコライザープラグインや AGC 機能は無効にしてください。不要なイコライザはデジタル信号の復調処理に悪影響を及ぼし、受信できなくなる場合があります。
  • 混信により復調できなくなる可能性があるため、1 つのオーディオデバイスに対して、複数の SDRSharp からオーディオ出力を行わないでください。
  • SDRSharp のバージョンによっては、RAW Mode 設定時に I/Q 信号が出力されない不具合が報告されています。v1.0.0.1716 および v1.0.0.1920 で動作確認を行っています。
  • RTL-SDR ドングルを利用している時は、Offset Tuning を有効にすると直流(DC)スパイクを回避できます。
  • 急なレベル変動を避けるため、RTL AGCTuner AGC は無効にし、手動で RF Gain を設定することを推奨します。 また、サンプリングレートを小さくすると PC の負荷が減少し、安定性が向上します。

3. STD-T115 Decoder のインストール

3.1 インストールと起動

ダウンロードした圧縮ファイルを解凍し、解凍後のフォルダを任意の場所に配置し、ライセンスファイルを追加することでインストールは完了します。手順は以下の通りです。

  1. ソフトウェア本体をダウンロードします。
  2. ダウンロードしたファイルを解凍します。
  3. 解凍したフォルダ内に、ライセンスファイル (license.jwt) を追加します。
  • ソフトウェア本体とライセンスファイルは、商品購入後の画面または、Sparkle のマイページ内 購入履歴から該当商品を開くことでダウンロードできます。
  • ウイルス対策ソフトウェアにより誤検知が発生した場合は、Sparkle よりダウンロードしたファイルであることを確認の上、除外設定を追加してください。 Microsoft Defender SmartScreen により起動が遮断された場合は、詳細情報をクリックし、実行 を選択してください。本ソフトウェアは Microsoft Defender による検査を実施済みです。
  • ライセンスファイルの有効期限は1か月です。期限内であればオフラインでも使用できます。有効期限が近づくとインターネット経由で自動的に更新されます。 ライセンス失効を防ぐため、少なくとも1か月に1回はインターネットに接続した状態でソフトウェアを起動してください。
  • 有効期限が切れている場合でも、有効期限から14日間は猶予期間としてソフトウェアを起動できます。猶予期間を超えた場合は、インターネットに接続可能な環境でソフトウェアを起動してください。

起動前に、以下のファイルが正しく配置されていることを確認してください。フォルダ内のファイル名を変更すると、起動できなくなったり、一部機能が使用できなくなる場合がありますのでご注意ください。

STD-T115 Decoder の実行に必要なファイル

各ファイルの役割は以下の通りです。

ファイル名 目的
std_t115_decoder.exe ソフトウェア本体
std_t115_decoder.ini 設定ファイル(存在しない場合は起動時に自動生成されます)
std_t115_decoder_disp.ini 市区町村コードと市区町村名、製造者識別番号と製造者名、メッセージ表示色の対応を定義したファイル
license.jwt ライセンスファイル(利用者が配置する必要があります)

3.2 起動

準備が完了したら、std_t115_decoder.exeをダブルクリックして起動します。
初回起動時には、以下のような確認画面が表示されます。同意した場合のみソフトウェアを使用できます。いいえ を選択するとソフトウェアは終了します。

同意画面

ライセンスファイルが存在しない場合は、以下のようなエラー画面が表示されます。OKをクリックするとソフトウェアが終了します。有効なライセンスファイルを配置した後、再度起動してください。

ライセンスファイルなしエラー画面

3.3 設定画面で入出力デバイスを選択

設定画面を開き、入力デバイスおよび出力デバイスを設定します。
入力デバイスは 手順 2.1 の SDRSharp で選択した出力デバイスを選択します。 出力デバイスは拡声放送のモニター用デバイスを指定します。なお、出力デバイスは音声デコーダが有効な場合にのみ使用されます。 各設定項目の詳細については、画面構成を参照してください。
注意:入力デバイスと出力デバイスを同一デバイスに設定しないでください。拡声放送が I/Q 信号入力用デバイスに出力されると両方の信号がミックスされ、復調処理ができなくなります。

画面構成

本ソフトウェアは、メイン画面と設定画面の2種類で構成されています。

メイン画面 設定画面
メイン画面 設定画面

メイン画面

メイン画面は以下の通りです。

メイン画面の各項目

メイン画面の設定可能な項目

設定可能な項目はカーソルが矢印からハンドアイコンに変わります。各項目をクリックすることで、設定値を変更できます。

1. 自動周波数制御

AFC モード切り替え

一般的に送信機の周波数誤差や受信側機器の誤差により、周波数のズレが生じます。自動周波数制御 (Automatic Frequency Control) 機能は、その周波数のズレを補正する機能です。
項目 動作
AFC ON 自動周波数制御が有効です。同期ワードを検出すると、その周波数に自動的に追尾します。基本的にはこのモードを使用することを推奨します。
AFC OFF 自動周波数制御が無効です。周波数誤差を手動で微調整できます。

AFC 動作状態表示 + 誤差周波数表示

周波数誤差値が表示されます。クリックすると追尾周波数をリセットすることができます。背景色で AFC の動作状態が表示されます。
背景色 動作
追尾可能な周波数が見つかっていません。
補正が必要か否かにかかわらず、補正を掛けられる周波数が見つかりました。
補正後、安定した状態が継続しています。

2. コンスタレーション画面

受信状況を示すコンスタレーションが表示されます。T115 第2編(QPSK ナロー方式)では QPSK 変調が使用されており、I/Q 平面上の4つの位相点で各シンボルを表現します。 受信状況が良好な場合、各点は理想位置付近に集中しますが、受信状況が悪化すると点が分散します。 コンスタレーション画面をクリックすると、「同期45」と「同期1」表示の ON/OFF を切り替えることができます。
受信状態が良い 受信状態が悪い 受信不可 入力なし
受信状態が良い 受信状態が悪い 受信不可 入力なし

3. 表示する情報

ログ領域に表示する内容 制御メッセージメッセージ詳細を選択できます。 間欠送信の場合、報知情報は定期的に送信されるため、表示を有効にするとログ領域が大量のメッセージで占有される場合があります。

4. ログクリア

表示中のログを消去します。

5. 設定ボタン

設定画面が開きます。

メイン画面の表示項目

入力

入力オーディオデバイス名を表示します。入力デバイスの変更は、設定ボタンから行ってください。

信号

入力信号のレベルを表します。

品質

デジタル信号の品質を表します。

スクランブル

スクランブル(ホワイトニング)値を表します。固定値を設定する場合は設定画面から行います。未受信時は---と表示されます。

CRC

ターボ符号によるデータの誤り訂正状況を表示します。
表示 意味
OK 誤り訂正を行わず、Systematic Bits のみで CRC が一致している状態です。訂正すべきエラーはありません。
OK Systematic Bits では CRC が不一致ですが、誤り訂正後に CRC が一致した状態です。エラーが訂正されたことを示します。
ERR 誤り訂正後も CRC が一致しない状態です。スクランブルコードが誤っている場合や受信状況が悪い場合に発生します。

製造者識別

製造者情報を表示します。製造者識別番号は標準規格で定義されており、 std_t115_decoder_disp.ini 内のVendorCode セクションに対応が記載されています。 定義されていない製造者番号が利用されている場合、製造者名は空白で表示されます。製造者識別番号は 0~63 の範囲で定義されています。

出力

拡声放送を出力するオーディオデバイス名を表示します。出力デバイスの変更は設定ボタンから行えます。デコーダが無効な場合はグレーアウト表示されます。

音声ボリューム

スライダーで音量を変更できます。0〜300 の範囲で指定でき、100 を超える値を設定すると元の音量に対して増幅されます。数値をクリックすると 100 に戻ります。デコーダが無効な場合はグレーアウト表示されます。

音声メータ

音声レベルを表示します。デコーダが無効な場合はグレーアウト表示されます。

制御メッセージ ステータスインジケータ

制御メッセージを受信した際や、内容に変化があった際に点灯し、制御メッセージの受信状況を示します。
項目 意味 詳細
S 同期バースト受信 通信に先立って送信される同期バースト SB0 を受信した際、S が点灯します。
機能チャネル CCH 内のメッセージ種別がシステム特有情報の場合は S が点灯します。
B 報知情報受信 報知情報を受信した際、点灯します。 内容に変化がある場合は B、前回と同一内容を受信した場合は B が点灯します。
報知情報は、間欠送信が行われるシステムで多く使用されます。
T TCH 受信 通信用チャネル SC のうち、トラフィックチャネル TCH を受信中に T が点灯します。
F FACCH 受信 通信用チャネル SC のうち、高速付随制御チャネル FACCH を受信中に F が点灯します。システム特有情報の場合は F が点灯します。

ログ領域

ソフトウェアの動作イベント情報や、以下の制御メッセージが出力されます。「制御メッセージ」および「メッセージ詳細」チェックボックスの状態により、表示の有無を切り替えられます。
項目 概要
報知情報 通信統制を行う際、親局から送信されます。
番号通知 2つ以上の子局識別番号を一斉通知するために送信されます。共通ヘッダ内の番号通知フラグにおいて、「番号通知メッセージ有り」の場合に使用されます。
通報開始指示 通報時に親局から送信されます。子局識別番号の伝達や戸別受信機向けの音量・録音指示を行います。
本ソフトウェアでは情報表示のみを行い、戸別受信機向けの音量・録音指示は無視されます。
強制切断指示 親局から拡声通報や通話を切断する場合に送信されます。

設定画面

設定画面は以下の通りです。設定項目は即座に反映されます。 設定変更後に OK ボタンをクリックすると設定が保存され、設定画面が閉じられます。 キャンセル ボタンをクリックすると変更内容は破棄され、設定画面が閉じられます。

設定画面の各項目

1. メインウィンドウ位置微調整

メインウィンドウの位置を微調整できます。複数起動する場合など、整列させる用途に使用してください。

2. オーディオ設定

I/Q 信号の入力および拡声放送のモニター出力に使用するオーディオインターフェイスを指定します。
オーディオインターフェイスは 48 kHz / 16 bit ステレオ入出力に対応している必要があります。 また、Windows 側で本ソフトウェアに対してオーディオ機能の利用権限が付与されている必要があります。

入力デバイス選択

復調に使用する I/Q 信号源のオーディオデバイスを選択します。

出力デバイス選択

拡声音声をモニターするための出力オーディオデバイスを選択します。 オーディオ出力はデコーダが有効な場合のみ利用されます。

入力フォーマット選択

フォーマット 説明
I/Q 入力 (I=Lch Q=Rch) I=Lch Q=Rch として、I/Q 信号入力を使用します。SDRSharp を使用する場合はこちらを選択してください。
Q/I 入力 (Q=Lch I=Rch) Q=Lch I=Rch として、I/Q 信号入力を使用します。
IF 入力 (+12 kHz Lch使用) 12 kHz オフセット IF 入力で Lch を使用します (実験的機能)
IF 入力 (+12 kHz Rch使用) 12 kHz オフセット IF 入力で Rch を使用します (実験的機能)

※ 12 kHz I/Q 出力が可能な受信機との接続を想定しています。機種によってはデジタル信号に影響を与える処理が行われている場合があり、すべての機器での動作を保証するものではありません。 あくまで実験的機能としてご利用ください。

3. ファイル出力

項目 説明
復調データ QPSK 信号の復調データをテキスト形式で保存します。常時有効にすると大量のファイルが生成される可能性があります。ご注意ください。
制御情報 制御情報をテキスト形式で保存します。常時有効にすると大量のファイルが生成される可能性があります。ご注意ください。
AMR-WB+ データ AMR-WB+ のフレームデータを保存します。3GPP TS 26.290 に準拠し、フレームヘッダが付与された形式で出力されます。
WAVE・TXT 拡声放送を WAV ファイル、文字放送をテキストファイルとして保存します。ファイルは通報ごとに分割されます。
WAV ファイルは、音声デコーダが有効な場合のみ出力されます。

制御情報記録の詳細設定

設定ファイル std_t115_decoder.iniDATA セクションを編集することで、 制御情報記録に関する設定を変更できます。

[DATA]
MessageName=0

各項目の意味は以下の通りです。 制御情報記録が無効になっている場合は、設定値に関わらずファイル出力は行われません。

項目 説明
MessageName 1 に設定すると、メッセージ名を行末尾に付加します。 0 の場合は出力しません。

制御情報ファイルの出力例は以下の通りです。 各項目はコンマ区切りで、文字コードは Shift_JIS です。

データ本体,時刻hhmmss,16進数表記のメッセージID,スクランブル値,メッセージ名(MessageName=1時のみ有効)
メッセージ名定義

メッセージ名および表示色を独自に定義できます。標準規格で規定されているメッセージ名はソフトウェア内で定義されていますが、本項目でそれを上書きすることができます。
定義ファイル std_t115_decoder_disp.iniMESSAGENAME セクションに [16進数表記のメッセージID]=[背景色][文字色][メッセージ名] の形式で記述します。

設定例

[MESSAGENAME]
01=BW報知情報 (CCH)
60=YKシステム特有情報0x60 (CCH)
75=KCデータ (TCH)

4. スクランブル

スクランブル値を固定する のチェックボックスを有効にすると、ホワイトニング用のスクランブル値が固定されます。 固定値設定時に、異なるスクランブル値の変調波を入力した場合は CRC エラーが発生します。 スクランブル値は自治体の市区町村コード を基に、一定のルールで変換された値が使用されます。 スクランブルコードは 165535 の範囲で表示されます。
受信中であれば 現在値を挿入 ボタンをクリックすると、現在設定されている値を入力できます。
同報無線の整備時期やシステムの都合により、自治体によっては政令指定都市移行前や合併前の市区町村コードが使用されている場合があります。 該当する市区町村名が表示されない場合は、std_t115_decoder_disp.iniファイル内のCITYCODE セクションに必要な市区町村コード定義を追加してください。

5. ライセンス情報

ライセンスされている使用者名、ライセンスファイルの発行日および有効期限を表示します。有効期限が近づくと、ソフトウェア起動時にライセンスファイルの自動更新が行われます。

6. 起動時に更新確認

この機能を有効にすると、起動時にソフトウェアの更新有無を確認します。

7. バージョン情報

バージョン情報を表示します。

起動時に表示されるメッセージ

アップデート情報

インターネットに接続されており、かつ 起動時に更新確認 が有効な場合、ソフトウェア起動時にバージョン確認が行われます。 新しいバージョンが存在する場合は、以下のようなメッセージが表示されます。
はいをクリックするとブラウザが開き、新しいバージョンのソフトウェアがダウンロードされます。ダウンロードしたファイルを解凍し、exe ファイルを上書きしてください。
いいえ をクリックすると、そのままソフトウェアが起動します。
ソフトウェアのダウンロード URL はアカウントごとにユニークに発行されます。第三者への提供、譲渡、再販売を禁止します。不正利用が確認された場合、アカウント停止措置が行われる可能性があります。

新しいバージョンが存在する場合のメッセージ画面

ライセンスの有効期限切れ

ライセンスの有効期限が切れた場合、以下のようなメッセージが表示されます。表示内容に従い、ライセンスファイルの自動更新または手動配置を行ってください。

ライセンス有効期限切れ画面

コーデック

コーデック DLL が存在しない場合、本ソフトウェア上で AMR-WB+ 音声を再生することはできません。以下のようなメッセージがログ画面に表示されますが、正常動作です。

コーデックが存在しない場合のログ画面

その他

AMR-WB+ コーデック

本ソフトウェアにはライセンスの都合上 AMR-WB+ コーデックを内蔵することができません。
3GPP が公開しているサンプルプログラムおよび C 言語ソースコードを使用することで、利用者自身が WAV ファイルへの変換やデコーダ DLL の開発を行うことができます。

サンプルプログラム及びソースコード

浮動小数点方式と固定小数点方式の2種類が公開されています。 特定の DSP で実装する場合を除き、一般的な PC で実行する場合は浮動小数点方式の利用を推奨します。以下よりダウンロードすることができます。

以下に変換用バッチファイルの例を示します。 .amr ファイル、decoder.exe、er-libisomedia.dll をバッチファイルと同じフォルダ内に配置し、.amr ファイルを bat ファイルにドラッグ&ドロップすることで変換が可能です。

DLL Interface

本仕様に準拠したコーデックライブラリ decoder.dll を開発し、std_t115_decoder.exe と同一フォルダ内に配置することでリアルタイム音声デコード機能を利用することができます。 dll の配置はソフトウェアの起動前に行ってください。
なお、パテントプール管理している VoiceAge 社よりコーデック利用のライセンスを取得する必要があります。本ソフトウェアの開発者および販売者は、コーデックに関するライセンス責任を負いません。

ライセンス

FAQ

Q: コーデック DLL はどこからダウンロードできますか?
A: 開発者および Sparkle からは提供することはできません。パテントプールを管理する VoiceAge 社と適切な契約を結んだ上で、利用者自身にて開発してください。
Q: Mac や Linux で動作しますか?
A: 動作しません。今後サポート予定もありません。
Q: ライセンスが切れて起動しません。
A: インターネットに接続可能な環境でソフトウェアを起動してください。または、販売サイトからライセンスファイルをダウンロードし、手動で配置してください。
Q: 連絡音声通話は対応していますか?
A: 対応していません。
Q: コンスタレーション画面が動きません。
A: 次の4点を確認してください。
1. 本ソフトウェアの入力デバイスと、SDRSharp の出力デバイスが一致していること。
2. RAW モードで Unity Gain が有効化されており、ミュート状態でないこと。
3. Windows 側で各ソフトウェアにオーディオ機能の利用権限が付与されていること。
4. Windows のサウンド設定において、対象デバイスのゲインがミュートになっていないこと。
Q: 電界が十分なのにコンスタレーションが汚いです。
A: 次の3点を確認してください。
1. 受信帯域(7.5 kHz)内でレベル差のある歪んだスペクトルになっている場合、マルチパス等の影響により受信状況が悪化しています。アンテナ位置を調整してください。
2. SDRSharp のオーディオイコライザがすべて無効化されていること。
3. 1 つのオーディオデバイスに対して、1 出力のみが行われていること。
Q: 電界が十分なのにコンスタレーションが円状になったまま変化がありません。
A: 受信している周波数が正しく合っているか確認してください。併せて、受信モードが RAW モードで、Unity Gain が有効になっていることを確認してください。
Q: コンスタレーションが QPSK のように表示されていますが、スクランブル解析が終わりません。
A: 電波が弱すぎる可能性があります。また、試験用の特別な信号を受信している可能性もあります。日中に常時送信されている場合は、整備期間中の試験信号である可能性があります。
Q: アンインストールするにはどうすればいいですか?
A: フォルダごと消去してください。
Q: 多重起動は可能ですか?
A: 購入者が所有する 10 台以下のコンピュータでのみ実行可能です。

更新履歴

changelog.txt を参照。

注意事項